ちょっと古いですが「3割、4割は当たり前」といった惹句があったように、量販店での値引きは私たちにとって当たり前と受け取られていますが、業界にも少し変化の兆しがあるようです。そんな値段のお話を少し。
 家電大手のパナソニックが、家電販売店に対し、指定した価格で製品を売ってもらう取り組みを進めています。従来は販売店側が商品を買い取り、自由に値引きして売っていましたが、パナソニックが売れ残った在庫を引き取る代わりに価格を決める仕組みで、値崩れを防ぎ、商品のライフサイクルを延ばす狙いだとのことです。 パナソニックは2020年から、販売店からの返品を受け入れる代わりに、販売価格を決める「指定価格制度」での取引を始め、21年度は、この形での取引が販売額ベースで家電販売の8%を占めました。22年度には20%にまで増やす計画です。メーカー側が販売価格を指示し、守らせることは独占禁止法で禁じられていますが、パナソニックが在庫リスクを負うことで、実質的には自社による販売とみなされるため、違反にならないということだそうです。新制度の導入で、「付加価値のある商品群を、商品価値に見合った価格で買ってもらう」ことにつなげたい考えだとのこと。
 量販店側の受け取りは様々なようで、「接客力の勝負になる」と歓迎する向きもあれば懸念を示す業者もいるようです。家電業界の同業他社も「状況を注視する」ということで、まだ様子見の格好です。しかし長いデフレで価格ダウンが続くことに慣れ急な値上げに四苦八苦している状況では個人的には値下げはあった方がうれしいとは思いますが、適正な品質の品物やサービスに適正な代価を支払う、という考えが根付くのは悪いことではないように思います。まず労働の対価としての賃金が国際レベルに上がるのが前提ではありますが。
 価格と言えば私共のような士業の報酬をどうするかも中々難しい問題です。私が開業した当時ちょうど行政書士の報酬が自由化されたばかりで、各種の業務の報酬を値付けするのに頭をひねったものです。工数で決めると言い切れないところに悩ましいところがあります。また以下でPRしているような会社設立業務については、設立後の業務や付帯業務で利益を取るビジネスモデルを採用し設立業務自体を0円にする事業者も多く出て、行政書士として有償で会社設立を請け負うことでどのようなサービスができるのか悩みました。行政書士としての業務の適正な報酬については未だ悩んでいるというのが正直なところであります。
 

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