前に経過についてお話させて頂いたばかりですので、少々くどいと思われるかもしれませんが、インターネット利用者の履歴情報保護等に関連して政府有識者会議の報告書が出ましたので関連して少しお話させていただきます。
 総務省の有識者会議は2月18日、インターネットの利用者情報の取り扱いに関する規制強化を求める報告書をまとめました。今回の報告書では、既に予想された通り、閲覧履歴などを外部送信する際、利用者への通知・公表などを事業者に求める内容にとどまり、事業者側に配慮して大幅に規制が後退した印象を受けます。通知・公表を事業者に求めることが明確になったのは一歩前進ではあるかもしれませんが、既に自主的に公表している事業者も多く、後追い的な規制かとも思います。有識者会議は当初、ネット利用履歴の外部送信について本人同意の義務付けを目指していたはずなのですが、達成できなかったようでいかにも残念です。この辺の問題に対して意識が高い欧米ではネットの利用履歴は保護されるべき個人情報とみなされ、その利用には本人の同意が必要なオプトイン方式がとられています。それと比べると今回の報告は立ち遅れてしまったと言わざるを得ません。
 まあ事業者の立場から言えば面倒を避けるため通知、公表にとどめて置いてもらった方が助かるのはわかるのですが、より多い一般利用者の保護からすればオプトイン方式の方が望ましいのは言うまでもないでしょう。
 今後はこの報告に基づいて規制の法制化がなされることと思いますが、より利用者保護を進めるための議論は広く続けられるべきと思ってやみません。
 

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