読者の皆様もインターネットを活用されておりその中で程度の差はあれド個人情報の保護についても色々と考えておられることと思います。そんな中で先日一つの報告書がまとまりました。今回はその報告について少し述べたいと思います。


 総務省は1月14日、インターネット利用者の閲覧履歴などを第三者に提供するサイト運営者などへの規制を強化する法律改正をめぐり、利用者の事前同意を原則とすることを見送る報告書案をまとめました。利用者情報の第三者への提供について、サイトなどで通知・公表する方法も認めるというものです。この決定の背景には、当初閲覧履歴などの第三者提供には本人の同意を原則化する方向で、1月17日からの国会に電気通信事業法の改正案を提出することを検討していたことに対し、IT業界を始めとする経済界が猛反発し押し戻されたという経緯があるようです。
 この件については私自身も二律背反の形で、ネット広告等を利用する事業者としては、ネットの閲覧履歴などの情報は、利用者が閲覧しているサイトから広告業者などに提供され、利用者の関心に合わせて中身を変える「ターゲティング広告」に使われるので、それが規制緩く使用できる方が都合良いのですが、ネットユーザーの一私人としての立場では、自分の閲覧履歴のような情報の利用の決定権は自分で持てた方が良いと思ってしまいます。ただ今回は利用者が自分の情報の使われ方を確認できるようにする方法としては「通知・公表」が先にあげられ、同意の取得や情報提供を利用者が拒否できる仕組み「オプトアウト」の導入は選択肢の一つとなってしまいましたが、国際的な動向を見てもオプトアウトの義務化が進むべき方向であり、事業者としてはやりづらくなっても将来的にはまた再考されることになるのではないかと思います。

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