事業者の皆様は確定申告もうお済みかとは思います。今年も正規の申告期間は2/16~3/16ですが、ここ数年新型コロナの影響で期間が延長されており、今年もしばらく前に4/15までの延長手続きが可能となりました。
 しかし今回の延長はここ1.2年とは少し異なっているようで、国税庁が明らかにしたところによると、電子申告システムのe-Taxで今3月14日から15日にかけて、ユーザーが確定申告などの手続きを行う際に、ログインやデータの送信に失敗する、国税庁からの通知メールが遅延するといった状態が断続的に発生していたということで不利が生じないように延長手続きを認めたというところのようです。
 読者の皆様の中でも、もしもe-Taxの不調で申告ができなかったなどという方がいらしたら、申告書の特記事項欄に「e-Taxの障害による申告・納付期限延長申請」と記載することで期限の延長手続きが可能で、延長後の期限は4月15日ですのでお試し下さい。
 私も2年ほど前から利用していますが、e-Taxは使えれば便利で比較的使いやすいシステムだと思いますので、これからも利用者は増えることと思います。今回はさらに締め切り間際ということでアクセスが集中しシステムの負荷が大きくなってしまったことが原因と考えられます。ユーザーサイドのマナーとしてはアクセスが集中しそうな時期はなるべく避けるといったことはあるかもしれませんが、供給者側がそれに期待してはいけません。まあ利用可能な資源からできるだけの対策を打つしかできないのかもしれませんが、国のシステムとなればできる範囲に期待されるのはかなりハイレベルになります。デジタル化の進行により国のシステムにアクセスしてサービスを受ける機会は多くなると思われますので、この点で国のシステム基盤の充実は急務でしょう。このような時に国の全体のシステムを見てデジタル庁が対策を講ずべきと思うのですが、今回の事案ではあまりその姿が見えていません。まあ1省庁の内部の話ですのでそこでクローズしたのかもしれませんが、事案としては全省庁に共通する可能性があるものではないかと思います。老婆心ながら財務省のプライドが邪魔をしているのでなければ良いのですが。
 問題がないわけではないですが、せっかく作ったデジタル庁、是非活躍していただきたいと思います。
 

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