生成系AIが進化しアート方面の生成についても機能が増進されていることはご存じの方も多いかと思います。しかしここで問題となるのは、そのための機械学習のデータとなるアート作品の著作権者との関係の問題です。この点日本ではかなりAI側に有利な法規制状況となっており、著作権法の30条の4が2018年の法改正で盛り込まれ、AIが文章や画像を学習する際、営利・非営利を問わず著作物を使用できるとしています。違法に取得した著作物でもAIが学習すること自体は「合法」です。使用できないケースとして「著作権者の利益を不当に害する場合」との規定もありますが、文化庁は「市販のデータセットをコピーする」など限定的な例しか示していません。さらに、権利者が希望すれば学習対象から除外できる「オプトアウト」もありません。日本に比べ、欧州の先進国や欧州連合(EU)では、権利者を保護する方向で法整備が進んでいます。
 AIを進歩させることも重要ですが、もとのクリエイターの権利を守り創作を支援することもまた重要です。私見ですが日本ではいささかIT企業側の優遇に振れすぎているような気がします。
 日本ではAIの開発が比較的遅れているのでその進歩を支援するといった意図があるのかもしれませんが、あまり無規制だとかえって開発サイドやユーザーサイドでデメリットを覚えることも考えられます。これも私見ではありますが、欧州レベルといかなくてももう少し法規制をきつくするか、少なくとも許されない場合の明確で詳細なガイドラインが必要ではないかと思います。皆様はいかがお考えでしょうか?
 

    古瀬行政書士事務所の会社設立御相談ページへ