もうパラリンピックも終盤ですが、東京五輪でトピックになった問題について少し語らせていただきたいと思います。それは東京五輪選手へのSNSでの悪質な誹謗中傷等の問題についてです。選手に対してその本質的な競技への姿勢とは関係のないところで、また例えばある特定の国に勝ったことなどを、SNSで集中的に非難したり悪意のある中傷をしたり炎上させたりといった行為がなされていることが話題となり、卓球の水谷選手、サーフィンの五十嵐選手、体操の村上選手などの例が大きく報道されました。

 最初に断っておくと私は今回の東京五輪には否定的な感情を持っており本来この状況下で開催すべきではなかったと思っています。それでも大会の開催に関わる議論や大会実行責任者たちの醜態等の問題とは別にして、競技に真摯に取り組む現役アスリートたちの姿勢には敬意を表さねばならないと思っているのです。

 ですから報道されるようなSNSでの悪質な誹謗中傷には憤りを堪え得ません。アスリートがスポーツマンシップに則って誤った言動をした場合にはある程度の非難も許容されるかもしれませんが、その姿勢に関わらないところで無責任に非難されるのは許されるべき行為ではありません。最近のSNSには通報機能等も整備されているようですから、見ていて悪質な批判だなと思ったら通報するのもひとつの見識でしょう。

 しかしここまでくると問題は個々人の意識などで解決する問題ではなくなってくるかもしれません。初期の牧歌的な性善説に基づいたインターネット社会から触れているものとしては誠に残念ではありますが、ある程度を超えた悪意ある誹謗中傷などは法的な拘束力を持って処断されてもやむを得ないのではないかと思います。ネット社会の言動が不用意に法で規制されるのは望ましいとは思いませんが、もはやネット社会の状況はそういった感傷を許さないレベルの無軌道さになってしまっているのではないかといささか憂鬱に思ってしまうこの頃なのです。

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