老舗企業の継承について
どのような業界でも老舗と言われるところは長年の問題があったりしますし、それを継ぐ代の若い人は苦労するものです。そんな状況下で結果を出している若者についての報道がありましたので少し紹介させていただきたいと思います。
姫路の1964年創業の老舗、村井製菓3代目の村井沙邦莉(さほり)さんは家業の和菓子屋に入り、従来の和菓子のイメージを覆す商品を次々と打ち出してきました。創業時の味と想いを大切にしつつ、現代の「カワイイ」感性を加えたこれらのスイーツは、若い世代の関心を惹きつけ、売り上げにつながっているようです。しかしそれに至る道は平坦ではありませんでした。
和菓子人気が低迷し、一時は経営危機に陥っていた家業を立て直すために勤務先を退職し、自身が一人前だと納得するまで給料ゼロで働いたそうです。それでも伝統を重んじる男性中心の職人の世界で、代表かつ和菓子職人である父・克行さんやベテラン職人との衝突は絶えなかったということです。無我夢中で働き製造工程を覚える一方で古風な職人の世界の効率性や経営感覚の欠如に立ち向かい反対を押し切って改革を進め結果を出していきました。コロナ禍を奇貨として反対を押し切って出した従来にない色合いの菓子が人気を博し古手職人にも考え直してもらいました。その後も女性社員の意見を取り入れた映える菓子などを作り客層を広げていったそうです。
これから見るに、老舗の昔ながらのやり方で抵抗を受けても、地道に努力し少しずつ新しい風を吹かして実績を積んでいけば老舗も変わっていくという至極真っ当なことが言えるのかもしれません。老舗とまで言わなくても皆様もご自分の属する組織の従来のやり方に違和感を覚えることがあるかもしれません。そんな時村井さんのように地道に抵抗を排し実績を積んでいくことが重要なのかなと思います。