中国の歩行ロボットについて

中国で歩行ロボットによるマラソン大会参加のニュースがありましたので、その件につき元ロボット技術者として思うところを述べさせて頂きたいと思います。
これは北京市内で4/19日、二足歩行する人型ロボットが参加するハーフマラソン大会が開催され、およそ20体のロボットが一般ランナーと約21キロのレースに挑戦したものです。組織委員会によると、ロボットが人とマラソンを走るのは世界初とのこと。優勝したのは北京市内の新興企業が開発した「天工」で、2時間40分で完走し、一般ランナーを含む大会記録は1時間02分だったそうです。
自律型の歩行ロボットというと私の世代で思い出すのはHONDAのアシモですが、アシモもかなり高度な運動能力を持っていたとは思いますが、おそらくですがここまでの長距離の自律走行は難しかったのではないかと思います。またアシモについては開発終了後の展開が見えていないこともあり、自立歩行ロボット技術についてある面では水をあけられたことになるかもしれません。日本人の、特に言っては何ですが技術の現場に疎い人のネット発信では日本技術スゴイ中国泣き顔的な発信が良く見られますが決してそんな風に横柄に構えていられる状況ではないと思います。ロボット技術は人口減による労働力不足への対応なども考え重要性を増す技術だと思いますので、日本企業の奮起を期待したいところです。とは言え、例えばデブリ処理のロボットアームの遅々たる歩みを見ると少々残念な気もするのですが。
元エンジニアの個人的な印象でしかないのですが、日本企業は固有の要素技術についてはまだまだ優れたものを持っていると思います。しかしそれらをハイレベルでまとめ上げるシステムインテグレーション技術において聊か弱いところがあるのではという気がいたします。要素技術を磨くとともにシステムエンジニアリングにもう少し投資する機運が起きてくれることを期待したいと思います。