採用活動の変化について
来年大卒の4年生らを対象とする企業の採用選考が6月1日解禁になり、就職活動も本格化した時期、ご自分の就職活動のことを思い出す方もいらっしゃるかと思います。私も40年近く前の自分の就活のことを思い出すことがありますが、幸いにというかバブル末期の売り手市場だったころなのでそれほどの苦労はしなかった気がいたします。ただ楽に入ったためその後体壊して辞める時もそう悩まなかったのは、今となってはどうだったのかなとも思います。
今年も人手不足で採用日程は前倒しが進み、すでに8割近くの学生が内定を得ているとの調査結果もあり、学生優位の「売り手市場」のようです。この中で、将来の中途採用の人材や顧客として、選考に落ちた学生や内定を辞退した学生とも良好な関係を維持しようとする企業の動きが広がっているとのことです。
例えば某経理代行サービス企業では、新卒採用を始めた昨年から、面接を通過できなかった学生への不採用通知に改善点を書き添えているそうです。また某地方銀行は25年卒から、内定辞退者が社会人3年程度以内で自社への転職を希望する場合、通常複数回行う面接を1回にする選考ファストパス制度を導入するとのことです。
このような動きは各社に広がっており、その背景にはやはり深刻な人手不足があるようですが、同時に以前お話したアルムナイネットワークの活性化とも一脈通じるものがあるような気がいたします。
つまり、昭和の時代のような企業一家状態にはもう戻れないけれど、あまりにもドライになっていた雇用関係等を見直し、企業と雇用者を含めた広いステークホルダー間で良好な関係性を育んで行こうという反動が起こっているのではないかと言うことです、米国風の株主資本主義に振れすぎたところからバランスを回復しようという動きなら望ましいとも思われます。
ご自分の会社で採用に関係するような方がいらしたら、この辺考えられると良いかもしれません。